こんにちは鈴木寛です。
前回のコラムでご紹介したインターナショナルISAKの開校式が8月24日に開かれ、私も参加してまいりました。
「この日を迎えられたのは、理念に共鳴して実現を信じ、励まして支えてくれた皆さんのおかげ。資金調達など苦難の道のりだったが、遠回りして“サマースクール”からスタートし、世界中から優秀な先生を迎え、素晴らしい生徒が門を叩いてくれた」――ハフィントンポストでも紹介されているように、代表理事の小林りんさんが思いの丈を述べられていました。会場では感極まる場面もみられ、私も思わずグッとくるものがありました。
ISAKは、日本では新しい考え方で作られた、グローバル人材育成の学校です。イノベーターは孤独な思いをする自分との闘いでもありますが、まさに小林さんがそうであったように、正解のない難問を自分の頭で考え抜き、自分の手で道を切り開く人材を時代は求めています。自然環境に恵まれた新しい校舎で、小林さんや発起人代表の谷家衛さん、そして1期生となる49人の生徒たちの希望にあふれた笑顔をみていて、新しい時代の到来を強く感じました。
そして、軽井沢の次は東北でも次代の日本を背負って立つ子どもたちが大きく飛躍しようとしています。といっても舞台はパリ。日本でも報道されていましたが、東日本大震災の被災地である岩手、宮城、福島3県の中学・高校生たちが、世界中からの支援に感謝の意を伝え、東北の復興と魅力をアピールするイベント「東北復幸祭〈環WA〉in PARIS」が8月30、31の両日、開催されました。詳しくは後述しますが、文部科学副大臣時代から、この取り組みを後押ししてきた私も、生徒たちの「集大成」を見届けるためにパリに行ってきた次第です。
このイベントは、おそらく十数年後、あるいは半世紀ほどして振り返った時に東北だけでなく、日本全体、あるいは世界にとって「新しい時代の兆し」として位置付けられるかもしれません。そのあたりの意義を述べる前に、イベントをご存じない方のために、共同通信の記事を引きますので、概要をまず把握いただければと思います。
「東北復幸祭」パリで開幕
福島・宮城・岩手の高校生が企画
思いつづった「100の物語」
東日本大震災からの復興と東北の魅力をアピールしようと福島、宮城、岩手3県の高校生らが企画した「東北復幸祭〈環WA〉」が30日、パリのエッフェル塔の下に広がるシャンドマルス公園で開幕した。31日まで。
会場では津波の高さを表現した巨大風船を揚げ、生徒らの過去、現在、未来への思いをつづった「100の物語」と題するパネルを展示。生徒代表の福島県立磐城高3年の佐藤陸さん(18)は「被災者のことを身近に感じて考えるきっかけにしてもらいたい」と話した。
復幸祭は復興と日本の未来を担う人材育成を目的に、福島大、経済協力開発機構(OECD)などが協力し2012年3月に活動を開始した「OECD東北スクール」に参加した約100人の生徒らが企画立案から協賛金集め、PR活動などを行った。(共同、14年8月30日産経ニュースより転載)