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地方の朝獲れ鮮魚がその日のうちに食卓に!
物流とITが可能にした喝采のサービス

待兼 音二郎
2014年9月17日
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漁師とお店をマッチングすることで
鮮魚流通過疎地域を解消する効果も

 鮮魚産直の分野で大いに注目を集めているのが、東京の八面六臂だ。同社は飲食店などの取引先に専用アプリを組み込んだiPadを無償貸与することで、年配の料理人でも調理場でストレスなくアプリを立ち上げ、魚を注文できるようにした。同社がそのサービスを通じて目指していることのひとつが、鮮魚流通過疎地域の解消だ。

 たとえば箱根は、小田原漁港が目と鼻の先にありながら、水揚げされる魚がことごとく築地市場に送られてしまうため、旅館やホテルで出される魚の鮮度は東京より落ちることが多い。それをiPadの専用アプリで注文することで、漁港から直接届けてもらえるようにしたわけだ。

 従来なら仕入れ担当者が直接漁港まで出向く必要があったことが、ITの活用により手間とコストを大いに削減できた。またそれにより、「大量の魚を安く消費地へ」という太い導線をたどるしかなかった鮮魚流通に細い導線を自由に引けるようになったことも大きい。

 ところで、朝獲れ鮮魚の当日配送は「生鮮時間便」以外にもいくつかの業者が提供しており、関東地方向けのサービスが圧倒的に多い。東京圏の人口は約3506万人で日本の総人口の約28%(総務省調べ)。築地市場の水産物取扱量は全国の中央卸売市場の約2割を占める。「生鮮時間便」も、航空便を行かしたサービスということもあり、「仕向地別では関東圏が約9割を占めており、次いで関西・中四国、九州、北海道・東北、中部・北陸がそれぞれ数%ずつを占めております」(ヤマトグローバルエキスプレス 広報担当)という。

 東京はたしかに巨大な消費地ではあるが、地理的には全国の主要漁港から遠く離れている。せっかくITの活用で直送ができるなら、むしろ地方都市にこそこの種のサービスの可能性が眠っているのではないだろうか?

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