カリスマと呼ばれる人たちが、ビジネスやプライベートでこっそり使っている秘密の「信頼構築術」とはどんなものなのか?
人の心を知り尽くし、1万人以上の売れる販売員、予約殺到の美容師、売れっ子タレントを生み出してきたセルフマネジメントプロデューサーが明かす、「相手の心を読んで、一瞬で信頼関係を築き、相手を虜にする方法」。
元歌舞伎町のNo.1ホストで、現在はセルフマネジメントプロデューサーであり、日本テレビ『ナカイの窓』でココロジストとしても活躍中の斉藤恵一氏が、相手の心を読んで、あなたの虜にしてしまう方法を教えます。
このノウハウを、悪用しないと誓える人だけ読んでください。

トップホストは“色恋”を武器にしない

 ホストクラブでは、毎晩のように1本10万円のドンペリが飛ぶように売れ、数十万円、数百万円のシャンパンタワーをオーダーする女性客であふれています。

 ただし、この女性たちはドンペリを飲みたいと思ってオーダーしているわけではありません。ドンペリが本当に好きなら、酒屋で3万円程度で買うことができますし、酸味が強いことから「シャンメリーのほうが甘くておいしい(笑)」という人もいるくらいです。

 では、女性たちは、何のために高いお金を払っているのでしょうか? それを理解していないホストは、とにかくたくさんお金を使ってもらうことだけを目的に、拝み倒して来店してもらったり、お客さまと恋愛をしているふりをする“色恋営業”や、お客さまとの体の関係でお店に来てもらう“枕営業”に走ったりしがちです。

 しかし、こうしたやり方でお客さまがハッピーになれるのは、ごく短い時間です。売上も一時的にアップするかもしれませんが、長続きはしません。無理やりお金を使わせ続けたせいで、お客さまとの関係がこじれてしまったり、売掛(ツケ)を残したままお客さまに飛ばれてしまったり(逃げられてしまったり)するからです。

 ホストクラブ=女性を騙してお金をまきあげるところ、というネガティブなイメージが浸透してしまったのは、こうした強引な営業スタイルを続けるホストたちが少なからずいるせいなのです。

 かくいう私は大学4年生のときに興味半分でホストの世界に足を踏み入れてから半年間、前出のような営業すらできない最低ランクのホストでした。事実、その間、チビで口下手な私はただ一人の指名も獲得できなかったのです。

 そこで後述するように、認知心理学を勉強するようになり、ある出来事をきっかけにお客さまの心をつかむコツに気づき、1年後には雑誌の人気投票で「歌舞伎町ナンバーワン・ホスト」を獲得するに至りました。学問に裏付けされたその手法は一般の販売や営業でも同じように効果を発揮することを、現在、私のセミナーに参加してくれている受講者の方々が証明してくれています。