B2Bマッチングのアリババで、成功報酬型でない
一部有料会員型フリーミアムに挑む

 馬雲はまず、無料の維持による登録企業の増加を図り、2001年末には登録企業が100万社を超えました。それによって世界のバイヤーたちの注目を集めた上で、有料会員制度を導入したのです。

① 「中国供応商」:サイト内検索で上位に出すなど、マーケティング支援が受けられるもの(2000~)
② 「誠通信」:購買者に対して登録企業の認証(存在するのか!)や、会員評価を提供するもの。クレジット会社と組んで実現(2002~)

当時、B2B eマーケットプレイスで一般的だったのは、「取引成立時に一定割合を収める」という成功報酬型の収益モデルでしたが、アリババは企業の紹介&マッチングサイトであり、取引自体が電子化はされていなかったので、「一部有料会員」というフリーミアム方式に挑まざるを得なかったのです。

 ただ、有料といっても年数千元(50万円程度)だったこともあり、海外バイヤーたちの目に留まりたい積極的な登録企業が有料会員となりました。2010年、アリババへの登録企業は6180万社。そのうち1.3%の81万社もが有料会員となっています。

 阿里巴巴集団の成功は、まずはB2B eマーケットプレイス「アリババ」でのそれでした。孫正義たちの資金に支えられた、「一部有料会員型フリーミアム・モデル」が成功への道でした。

eBayを丸ごと無料にしてしまった
阿里巴巴集団のタオバオワンとアリペイ

 C2C eマーケットプレイス(個人間オークションサイト)の創造者であるeBayが中国に進出したのは、2002年のことでした。HBS卒業生の中国人2人が立ち上げた「易趣(eachnet)」を、1.8億ドルもの巨費で買収しての、本格的な参入でした。日本での失敗(*3)を繰り返さないために、CEOのメグ・ホイットマンは「時間を金で買う」決断をしたのです。

 中国のインターネット利用者数が、1999年の890万人から2004年末には10倍以上の9400万人となるなか、「市場の開拓者」としてeBayは、急速にそのユーザー数と売買額を伸ばしていきました。売買額は2004年には前年比3倍増の34億元に達します。

*3 1999年にNECと組んで参入したもののヤフーに5ヵ月遅れ、そのためもあって苦戦していた。結局、2002年3月に撤退。