今読みたい戦略書【第10位】
ジム・コリンズ他『ビジョナリー・カンパニー』
自分から新しい成果を引き出す「組織的進歩戦略」
元スタンフォード経営大学院の教授であるジム・コリンズが書いた『ビジョナリー・カンパニー』は世界的なヒット作として有名です。徹底した調査から「時代を超えて生き続ける企業」の優れた点を分析していますが、その特徴はなんといっても飛躍を計画するユニークさです。
これは『知識創造企業』でも述べましたが、ビジョナリー・カンパニーの多くは古い目標からあえて離れるために、定期的に「社運を賭けた大胆な目標」を掲げ、その目標を実現させるため社員、組織全体を活性化させています。
あえて遠くをみることで、近くの問題に拘泥することを避け、より大きな道で飛躍する路線に自社を引き戻しているとも言えます。この「古い目標から離れる力」を再認識するため、ぜひ再度読み返して頂きたい戦略書だと言えるのです。
今だからこそ、読んでおきたい戦略の数々
今、最も効果のある戦略ベスト10として、人類3000年の歴史からおすすめの戦略書をご紹介してきましたが、戦略たちの意図するところを理解すると逆に「衰退の壁」の存在もうっすらと見えてきます。それは私たちビジネスマンと企業を捉えて、足元を掬う落とし穴ともいえる存在です。
衰退とは理由なく起こるものではなく、現在取っている行動の効果が薄れていることから生まれています。私たち自身が、自らの思考の壁を打ち破るために最適なツールこそが戦略なのです。古今東西、人類3000年の戦略のエッセンス化をした理由は、今まさに私たちの目の間をふさぐ壁を、効果的に打ち砕く武器を手に入れるためなのです。