今まさに、一部の保険会社や大手保険代理店の首脳たちを震撼させる出来事が起こっている。それは、金融庁が行っている保険会社への調査の一環として発生した。いったい、その中身は何か。そして金融庁の狙いとは。今年5月に成立した改正保険業法との関係性を踏まえてレポートする。
「なんだ、この内容は……」──。9月半ば、保険会社から突如送られてきた文書に、大手保険代理店の首脳たちは皆、一様に言葉を失った。
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その文書とは、9月18日付で金融庁検査局と監督局の連名で出された「資料の御提出のお願いについて」(写真)。詳細は後述するが、代理店の運営実態をつぶさに調査するというものだった。
これは、昨年から新たに始まった「金融モニタリング基本方針」で導入された金融庁検査の一つで、「水平的レビュー」といわれるもの。複数の金融機関に対し、統一した目線で経営状況を調査するという仕組みだ。
これまで金融庁の検査の大半は保険会社に対するものだったが、昨今の保険ショップの台頭に代表されるように、規模が大きくなった代理店へも網を広げたのだ。
むろん、ここまで厳しい調査を代理店が受けるのは初めてのこと。ある大手代理店幹部は、「どうやって回答すればいいのか……」と困惑した表情を浮かべる。
それも無理はない。約100項目に上る質問の中には、そもそもデータを取っていないものも含まれているからだ。
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