恥をかかされた部下の逆襲!?
「支店長、非礼を詫びてください」

 さて、支店の会議がある当日。支店長のスケジュール表に「相談」という予定が入力されていました。その入力者はSさん。打ち合わせ用の会議室も予約されています。やはり、反省の言葉を述べるのであろう…と思って、会議室に向かった支店長。ところが予想外の言葉が返ってきました。

 Sさんは言いました。

「まず、支店長には非礼を詫びてほしいと思います。先日の会議で、私は大いに傷つきました。本来であれば、パワハラと認定して人事部に通達するべき発言でしょう。ここは寛大な措置で穏便に済ませたいのですが、どうでしょうか?」

 Sさん曰く、他の部員もいる会議の場で部下を貶めるような発言はあってはならないとのこと。これには、支店長も反論できませんでした。もし人事部に通達されたら…そう思うと怖くなってきました。そしてついには、

「申し訳なかった。傷つけるような発言をしたことを反省している。今後は二度とないように慎みます」

 と謝ることとなりました。

 振り返れば、支店長の発言は厚生労働省のパワハラの定義「名誉毀損・侮辱・ひどい暴言」にあたる内容と言われても仕方ありません。ただ、支店長にしてみれば何回も約束したことを破ったことに対する反省はないのか?と多少の疑問を抑えることはできませんでした。

 ただ、間違ったのは、その後の営業会議で支店長がSさんに対して腫れものに触るような対応になってしまったことです。周囲からしても不自然な状態です。恥をかかせた人と、かかされた人の結末はこれでいいのでしょうか?

 さて、仕事で上司が部下に恥をかかせてしまうのは、問題点に気づいてもらうためです。だとすれば、会議中、周りにその様子をさらすような方法でなくても、別のやり方があるはず。おそらく、支店長が会議中に行った行為を個別に指導する場面で行ったとしたらどうでしょうか。それでも十分に恥をかくことにはなりますが、プライドは傷つかないはずです。今回の一件は、支店長がマネジメントスタイルを変える、いい機会になるといいのですが。