議員と深い付き合いを持ちやすい年齢層
若者とお年寄りの将来に起こることとは?

 また、政治家の周りに集まる人の層の特性も関係していると思う。選挙事務所に何日かいればわかることだが、国会議員の事務所に集う人の年齢層は、20代前半の若者か定年後の高齢者が多い。その2つの層の共通点は「時間に余裕がある」こと。そして、彼らと深い関係を築くということは、数年後に結婚式や葬式に出席する機会が生じる可能性が高いということでもある(不謹慎な言い方かもしれないが)。

 小渕優子議員は会見の中でこう述べていた。

「ベビー用品を購入したのは県外の方の出産祝いや誕生祝いの社交儀礼、化粧品、服飾品は海外出張のお土産として購入しお渡ししたものでした。一部報道では関係者に品物を送るのはポケットマネーで行うべきとの指摘がありますが、会社や団体が経費で社交儀礼をするのと同じく、政治家が人脈を広げていくことは重要な政治活動であり政治活動の経費として認められるものと思う」

 小渕議員は「女性の活躍」の代名詞とも言えるような存在だった。もし、100人の若い女性が小渕議員の支援をしていたと仮定しよう。その後、年ごろの彼女たちが続々と結婚・出産したならば、小渕議員が「何か贈り物をしなくちゃ」と考えるのも自然なことかもしれない。さらに、「一応大臣を務めた国会議員だし、安っぽいものを贈るのもなぁ」と5万円のベビーカーを贈ったとするならば、百万円単位での出費となる。

 今回、問題となった金額は数千万円単位で、額の大きさが注目を集めたが、政策秘書として、国会議員のカネの出入りを見ている筆者からすれば、小渕優子議員ほどの大物議員になれば、ありえない数字ではない、と感じている。

 他にも、チラシ・ポスターの印刷代・配布代(およそ200万円)、東京での議員宿舎の家賃(年間およそ120万円)、事務所の電気・水道・ガス・NHK、コピー機、新聞代などを合わせれば、年間500万円は下らない。

ベテラン議員が犯した初歩的なミスの
背景にある3つの要因

 国会議員のお財布は主に2つの法律によって明朗にされることが義務付けられている。

 1つは、「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律」。これに基づき、国会議員は毎年、所得と資産を報告することになっている。春になると、新聞でも一覧が報道されている。

 もう1つが、「政治資金規正法」。これに基づき、国会議員は収支報告書と政党交付金使途等報告書(注4)を作成し、公開することが義務付けられている。今回の小渕優子議員の事件も収支報告書で「公開された情報」から事実が発覚している。

 さらに、今国会において、維新の党は毎月入る文書通信費についても使い道を公開する方針を掲げており、議員立法で法案を提出する構えだ。

 しかし、ここまでやってもなお「初歩的なミス」が生じるのはなぜなのか。政治家がカネがらみのスキャンダルで辞任するというニュースは、今に始まったことではない。

 要因は3つ挙げられるのではないだろうか。まず、政治の世界に集まる人の質である。つまり、プロフェッショナルとして議員秘書を極めようという人材が、なかなかいないということである。

注4:収支報告書とは、国会議員事務所全体の損益計算書のようなもの。政党交付金使途等報告書とは、その中で政党交付金を何に使ったのか、という使い道を報告するもの。