資料は「迷ったら貼る」!
とてもシンプルなルール

 多くの人は、取材メモや会議の記録などは時間順にノートしていくでしょうが、著者のようにすべてのインプットをノートに「入れて」いくことはしていないでしょう。これは意外な盲点でした。著者はこれを「一元化」としています。一元化すれば、必ずノートに入れてあるのですから、間違いなくすべての情報がノートの中に存在していることになります。

 後で目指す情報を発見するためのポイントは、メモや貼り込んだ紙に「日時」を記載すること。これが最重要な検索キーとなります。著者は企画のアイデアには「キ」と記しているそうですが、こうした記号については、読者の仕事に合わせて応用すればいいでしょう。

 もう一つ、「はっきりした文字を」書くように心がけることだそうです。自分で書いた文字が読めない経験はだれにでもあります。崩さずに書くこと、自分で略字を決めることがポイントです。

 本書に掲載されている写真を見ると、こうして埋まったノートは厚さが数倍以上に膨らんでいます。はちきれそうです。すると小口も膨らんでいるので、ここにノートの通し番号と時間(日時)を太く書くことができます。これならば積み重ねてもすぐにわかりますね。

 著者の手法は、なんでもメモする、どのような資料でも貼ることにあるわけですが、われら普通の読者は「こんなもの後で必要だろうか」と考えこんでしまいます。選択のコツはなんでしょう。

書類などの資料は「迷ったら貼る」が原則です。本書のノート方式は、「代替わり」のおかげで容量は無限ですから、多少、不必要な資料を貼り付けてしまってもまったく問題ありません。むしろ「貼るか貼らないか」と悩んでいる時間がもったいない。あまり考えず、パッとその場で貼ってしまいましょう。(113ページ)