過去ノートの情報を
取り出しやすくする工夫も

 一方、ノートに収集した情報を取り出して使う生産側の技術ですが、本書を読んで重要だと感じたのは、ノートが1冊終わったら目次を作ることでした。これなら万全ですね。著者は過去のノートの目次をパソコンで整理しています。大過去の情報もこうしておけば検索可能になります。

 このように、本書は非常にシンプルな方法を教えてくれます。写真も豊富に掲載されていますので、すぐ応用できるでしょう。

 ほかにもペンなどの筆記具、ハサミやノリなどの道具についても具体的に詳しく教えてくれますし、ノートの書き方、略語のつくり方、見出しラベルや付箋の使い方にもページを割いており、非常に役に立ちました。

 ノートを時間軸に沿って書き込んで使っている人は多いと思います。しかし、表紙に何が書いてあるかをメモしている程度で、けっきょく見つからないことがあります。本書は、あとで発見するための簡単な方法がいろいろ提案されており、入口から出口まで十分にカバーしている点に大きな価値があります。

 著者は最後にこう強調します。

ビジネスパーソンだけでなく、学生、主婦、お年寄りにもおすすめできます。持ち歩いているノートには、仕事のアイデアを書くかもしれないし、卒業論文のテーマをメモするかもしれない。子育て中の発見を記録するかもしれないし、小説やエッセイのネタになる発想を書き留めるかもしれません。/ノートが一冊あれば、何でもできるのです。(263ページ)