●「マイスター上司」
曲がったことが大嫌い。入社時から無遅刻、無欠勤。どんなときも無私の精神で会社に忠誠を尽くす、頑固一徹な職人タイプである。仕事熱心な彼らは、会社にとって必要な存在ではある。だが、コミュニケーション能力にはやや偏りが。部下に対しても自分と同じ姿勢を求め、その甘えや怠慢をなかなか許せない

●「氷の微笑上司」
笑顔を浮かべつつ、「昨日、学校を卒業したわけじゃないよね?」などとぐさっとくる嫌味をいう。女性に多いタイプだ。態度が冷静な分、その怒りは根深いものがあり、狙われた部下は脅えずにはいられない。有能だが、つねに自分が正しいと信じており、違う意見、価値観の人間を受け入れない。

 彼らは部下の失敗が許せず、一刻たりとも放置できない、と感じる。そこで、自分で尻拭いしたりして、さっさと問題を処理してしまう。そのため部下は、失敗から学ぶ機会や、再チャレンジする機会を奪われてしまう。また、「信頼してもらえない感」を味わい、自分がまったく無力な人間になったように思う。次第に自らを過小評価するようになり、モチベーションが低下。しまいには、抑うつ症状が現れるようになる。

クラッシャー上司の心に潜む
不安と恐れ

 いったいなぜ、クラッシャー上司たちは部下を追い詰めるのだろうか?

 第1の理由は「不安だから」だ。じつはクラッシャー上司の心理には、「ありのままの自分」に対する不安や恐怖が潜んでいる。たとえば、「オレ様上司」は自己愛が非常に強いタイプ。自分自身を正当に評価することができず、周りから賞賛を受けることで、自分の価値を確認する。それがかなわないとなると、人を貶めて、自らの優位性を確かめるのである。

 また、「マイスター上司」にとって、「自分が会社にどれだけ貢献できるか」はおおいに重要な問題。したがって、「部下の失敗は自分の失敗」と考える。ミスの影響を最小限に食い止めようと焦るあまり、部下に自分で考えて行動する時間を十分に与えることができない。

 女性によくある「氷の微笑上司」も、前の2つタイプと同じような不安を抱えているケースが多い。