コインパーキング経営のノウハウが満載の本を出版した“スッチー大家”こと、上原ちづるさん。
今回は、不動産投資に縁もゆかりもなかった主婦の上原さんが、どうして投資を始めたのか、それもコインパーキングにチャレンジすることになったのか?という詳しいきっかけなどを新著の『コインパーキングで年1200万円儲ける方法』から内容を抜粋しつつ紹介します。

カードも住宅ローンも審査落ち!
自営業のもろさを実感

前回、3ヵ所のコインパーキングをはじめ、私が所有している不動産物件をざっとご紹介しました。ご覧になった皆さんの中には、「うまくいっているのは、元スッチーで資金がたっぷりあったからじゃないの?」と思われる方も多いかもしれません。

上原ちづる(うえはら・ちづる) 元キャビンアテンダント、不動産投資家、賃貸経営者。大学卒業後、全日本空輸株式会社(ANA)に入社。国内線、国際線を乗務し、チーフパーサー資格も取得。接客のプロとして多数の礼状を頂く。現在は、舞台を空の上から、見下ろしていた地上へシフト。CA時代に学んだコミュニケーション術や経験をベースに不動産投資を開始。現在、3人の小さな子持ちママでありながら、一棟アパートを三棟28戸、戸建て賃貸3戸、コインパーキングを三ヵ所28台とリスク分散を心掛けた「雑食不動産投資」を実践中。 ブログ http://ameblo.jp/moto-succhiiooya/

 実は、資金に余裕があるどころか、かなり絶望的な状況が始まりだったのです! 私は以前、国内線のCA(キャビンアテンダント)として多忙な日々を送っていましたが、結婚後は退職して主婦となり、3人の子どもにも恵まれました。

 ところが、結婚後まもなく、主人がサラリーマンを辞めて自営業になり、収入が不安定になったことで、「まさか!」と思うことが立て続けに起こったのです。

 最初のショックは、クレジットカードが作れなかったことです。CA時代は、会社から貸与されたカードを使っていましたが、退職後にカードを返還し、新しい苗字で自分のカードを作ろうとクレジット会社に申請を出したら、まさかの審査落ち。専業主婦でも、夫が安定した職業についていれば問題なく作ることができると聞き、自営業の社会的信用度の低さを思い知らされました。

 もうひとつのショックは、住宅ローンの審査にも通らなかったことです。クレジットカードと同じく、自営業者は審査が難関だということを知らなかった私は、新居への甘い夢を打ち砕かれました。

 結局、住宅ローンと比べると条件の悪い事業者ローンなら組めるということになり、土地を担保にできる中古の戸建てを、やっとのことで契約。これらふたつは、私にとって悪夢のような出来事でした。

崖から飛び降りるような思いで、
不動産投資を決意!

 こうして、不安定な収入である職業のもろさを痛感したことが、「何か安定した収入を得られる方法を考えなくては!」と考える発端になりました。とはいえ、3人の子どもを抱える身。パートで働いてもとうてい家計を支えられません。

 そんな私に、投資を勧めてくれた知人がいたので、最初は株やFXにトライしてみましたが、素人ゆえに一進一退の繰り返し。極め付けはリーマンショックで大損してしまい、安定収入には程遠いと目が覚めました。

 そんなときに、知り合いの税理士の先生が、「日本では、土地に対してしかお金を貸してくれませんよ。だから、自分の資金があまりないあなたが投資をするなら、不動産がおすすめです」とアドバイスしてくれました。それが、不動産投資に目を向けるきっかけになったのです。

 子育ての合間に、不動産投資に関する本を読んだりして、独学で知識をストックしつつも、いざ参入する勇気はなかなか出なかったのですが、しばらくして、またしても悪夢が到来しました。

 夫が「仕事内容を変えたい、その結果、しばらく無収入になってしまうかもしれない」というのです。

 乳飲み子と幼稚園児を抱えて、これからどうやって生きていこう? 絶体絶命の状況が後押しとなって、ついに不動産投資を始める決断をすることになったのです。