コインランドリーや貸し倉庫など、
土地活用をいろいろ模索
もちろん、最初からコインパーキングを始めようと思ったわけではありません。何か不動産を購入しようと思っていて、いろいろと探していたのですが、自己資金の少なさがネックとなって、いい物件にはなかなか出会えませんでした。
そんなときに見つけたのが、「貸地(かしち)・相談可」と提示されていた、近所の月極駐車場です。貸地とは、月々の賃料を地主に払って、使用する権利を得られる土地のことです。月極駐車場と同額のお金を支払えば長期契約も可能と確認し、「これなら多額の借金をしなくても何か始められる!」と奮い立ちました。
そこで、個人でもチャレンジしやすそうな土地活用の方法を調べてみたところ、こんな候補が挙がりました。
・コインランドリー
・貸し倉庫
・バイク倉庫
・コインロッカー
・コインパーキング
まず、コインランドリー。天気が悪い日の洗濯、多忙で一気にまとめ洗いしたい人の洗濯、ふとんや毛布など家で洗えない大物の洗濯など、さまざまなシーンでの需要が見込めるビジネスです。
ですが、初期投資としての費用が、機器だけで1500万円前後とかなり高額。賃料を払いながら、ある程度の利益を出していきたい私には、現実的ではないと思いました。
次に、貸し倉庫やバイク倉庫。貸し倉庫は、しばらく使わないものや家に入らないものを預かるスペースです。バイク倉庫は、バイクを保管しておけるコンテナスペースで、高価なバイクの盗難やいたずらが増えている昨今は、とても人気が高まっているようです。
ただ、こちらも初期投資がかなり必要。貸し倉庫のコンテナは、調べた当時は一機50万円くらいで、バイク倉庫のコンテナも、一機30万円くらいでした。土地の賃料以上の利益を上げようとすると、かなりの台数を置かなくてはなりませんので、私にとっては高くつきすぎるビジネスでした。
コインロッカーも、初期費用がかなりかかると判明。ロッカーボックスを20個置くとすると、諸経費を併せて約250万円、80戸だと1000万円にもなると言われてしまいました。何より、コインロッカーは場所が命。駅の近くで荷物の持ち歩きが面倒で、というロケーションでこそニーズがあります。今回の物件の最寄り駅は、ひとつの路線しか乗り入れておらず、人の乗り降りも限られている場所でしたから、問題外だと思いました。
コインパーキングは、
需要が急増している成長業種だった!
こうやって、いろいろと考えあぐねていたときに、「政府のやっていることに、着眼点をもつといいよ」と、知り合いの方がアドバイスをくださったのです。
2006年当時は、道路交通法が改正されて、民間委託による駐車違反の取り締まり開始がニュースになっていました。
「それなら、コインパーキングの需要が高まるのでは?」
さっそくリサーチしてみると、箇所数も車室数も伸び盛りの成長業種であることが分かりました。
また、初期費用が意外と少なくてすむことも確認。地面に設置する「フラップ板」と呼ばれるロックシステムが1台あたり約20万円、精算機が約100万円。中古だとさらに安くなりますし、リースを利用すればいっそうリーズナブルに始められます。
コインパーキングの可能性と、自分でも始められそうだという現実性に「これだ!」と感じた私は、まずはリスクの少ないサブリースというかたちでスタートしました。
サブリースとは、いわゆる又貸しのこと。借りている土地を、さらに第三者であるコインパーキング運営会社に貸すのです。運営会社が機器の設置工事から運営まで請け負ってくれて、私に月々の賃料を払ってくれるので、私が地主に払っている賃料との差額が、一定の収入となりました。
こちらも複数の会社から見積もりを取って、いちばん高く提示してくれた業者と契約したのです。