あるコンサルタント会社の社長が次のように指摘している。

「天津には港も石油もある。規模はさておき、その他のいかなるものも有している。しかし、今日の香港は貿易センターとしての機能しか持っていない。金融とサービスだけが特徴だ」

 香港の2倍に相当する人口1400万を持つ天津は、発展し続ける製造業の基地でもある。欧州の航空機メーカー・エアバスがヨーロッパ以外にはじめて設置した飛行機の製造ラインも、ほかならぬこの天津にある。トヨタも自動車工場の規模を拡大している。金融センターになろうという野望を天津も持っている。

 香港の地位低下を目の当たりにして、香港の若者たちは将来に自信を持てなくなった。こうした焦りも大学生たちを「占中」行動に走らせたのでは、と私は見る。

 かなりの年月が空費されたが、取り返す機会はまだある。行動する習近平時代の中国政府は香港のこの政治的危機を、政治改革の機会に変えるのか、注意深く見守っていきたい。