グローバルリテラシーの向上や外国人の採用など、多くの企業が人事のグローバル化を迫られている。その際、従来型の制度設計では齟齬を生じる場面も多いだろう。では、どのように考え、何を変えればいいのだろうか。

世界から優秀な人材を
探す環境が整った

 NTTドコモのテレビ・コマーシャルで、日本でも大ブレークしたイギリス出身の男性アイドルグループ「ワン・ダイレクション」。イギリス出身のスーパー歌姫、レオナ・ルイス。

 この2組のスーパースターは、イギリスの視聴者参加型のテレビ・オーディション番組「Xファクター」から誕生しました。

 1952年~1982年まで東京都豊島区にあった伝説の木造アパート「トキワ荘」。手塚治虫に憧れて漫画を描き始めた地方出身の漫画家達が、このアパートに入居し、切磋琢磨することで、自分のスタイルを確立しました。その結果、藤子不二雄や石ノ森章太郎など日本を代表する偉大な漫画家がこのアパートから生まれました。

 GEとマッキンゼーはリーダー輩出企業として有名で、多くの卒業生がフォーチュン500社(アメリカ売上上位企業500社)のCEOとして活躍しています。

 芸術、スポーツ、ビジネスなど、分野に関係なく、「人が育つ場所」はとても似ています。今回は、「人が育つ場所」はどんな特徴を持っているのかを考えてみたいと思います。

特徴1
同じ目標を持つ人が集まる

 グローバル人事担当者を採用するとします。みなさんは、この人材を日本国内のみから探す場合と世界から探す場合で、どちらがより優秀な人材を効率的に採用できると思いますか?

 日本語を職務要件から外すことができるとしたら、世界から探した方が成功する確率が高くなるでしょう。

 なぜなら、単純にその方が母集団が大きいですし、LinkedIn(ビジネス型SNS)やビデオ通話のFaceTimeやSkypeなどのインターネットツールの普及で、日本にいて日本から人を探すのと世界から人を探すのとで、コストや掛かる手間の違いはほとんどなくなってきているからです。