「君なら、もっとやれる」

 カレーパンの青年のほかにも、私のもとには「アフリカで起業したい」とビジネスプランを持ってくる若者が何人もいます。

 そのうちのほとんどは、まだ20代から30代の前半で、ビジネスの基本の「き」も知らなければ、語学力もおそまつです。しかも、ビジネスプランに数字が一つも出てこない……。それでも、熱意だけはある。やりたくて、やりたくていてもたってもいられないという気迫は、ビシビシ伝わってきます。

 だから、あえて止めません。

「君なら、もっとやれる」と背中を押します。

 失敗するとわかっていても、やらないよりやったほうがいい。自分自身の経験からしても、そう思うからです。

 よく「やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい」なんていいますが、やって後悔することなど、まずないのです。

 みなさんもそうではありませんか。親や友達の反対を押しきってやってみたことがあれば、思い出してみてください。うまくいく可能性は5分5分といわれていたけれど、どうしてもやらずにはいられなかったこととか。おそらく、うまくいかなかったと思いますが、その時、本当に後悔しましたか。

 きっと、後悔することはなかったと思います。むしろ、カレーパンの青年のようにいろいろあったけれど、「やってよかった」と思えたのではないでしょうか。