「ときどき無我夢中」がちょうどいい
それから夢中でやっていると、もう一ついいことがあります。
それは、余計なことを考えなくなる点。
考えないから、悩みもしないし、悔やみもしない。今日も一日くたくたになるまでやったという満足感で、考える必要を感じなくなるのです。まさに忘我の境地で、夜、ベッドに体を投げ出せば、ものの2秒で寝てしまいます。「えーっと、今日の反省点は……」なんて考え始める暇もありません。
政治家や経営者のなかには「必死でやります」「命を賭けてやります」「これが最後の挑戦です」なんていう人がいるけれど、「じゃあ、それが終われば死んじゃうの?」と訊きたくなります。
一つのチャレンジのあとには、次のチャレンジがあります。毎回毎回、必死でやっていたら命がいくつあっても足りません。また、ずーっと夢中というのもありえない。やる時はやる。時々無我夢中くらいでちょうどいいと思います。
次回の連載は12月1日を予定しています。