週で区切ると、目標の達成率が上がる

 この考え方は、営業職じゃない方にも、目標達成にとても役に立つと思います。というのは、たいていの営業マンは月間の数字目標があるのですが、月初めはのんびりしていて月末が近づくと慌ててアポ取りの電話をかけまくるという行動パターンに陥りがちなんです。私たちは、1ヵ月あると思うと、月初めには「まだ大丈夫、明日やろう」などと先延ばしにしてしまう癖があるのですね。月間目標を分割して週ごとの目標にすると、1週間後というのはかなり短い感覚になりますから、月初から頑張れるようになります。たとえばダイエットでも、「月末までに2キロ体重を落とそう」という目標設定よりも、「週ごとに500グラム減らそう」という目標のほうが、達成しやすいんです。

 さらに、手帳の週ごとのスケジュールページには、「水曜日の境界線」が引いてあります。水曜と木曜の境界線が太くなっているんです。1週間を二つに分けてさらに目標を小さく分割しています。営業のリーダーだったころ、私はいつも月曜日の朝と、木曜日の朝にミーティングをしていました。たとえば「今週は3件成約」という目標を立てていた営業マンが、水曜日までに1件も成約できていないと、「今週はもうダメだー」ってあきらめモードに入ってしまうんです。そこで木曜日の朝にミーティングをして、「3件は無理かもしれないけど、今週の残りの日で1件は成約しよう」と目標の下方修正をするんです。

 ダイエットでも同じです。1週間で500グラム落とす目標だったのに、逆に水曜日までで500グラム増えてしまったら、そこで「もうダメだ」とやけ食いしたりしないで、「増えた500グラムを週末までに元に戻そう」と、プラスマイナスゼロにすることを目標に設定し直すわけです。これで目標達成率が上がります。