11月27日は、ジミ・ヘンドリックスの誕生日です。27歳で夭折しましたが、もし2014年現在も生きていれば、72歳でした。天国のジミ・ヘンドリックスに『ハッピーバースデイ』。

 さて、ジミが生まれる遥か昔に遡ってみます。

 地球上に人類が誕生して50万年が経過しました。人類は新しい物事を創造するチカラを持ち得ました。自然の恵みに頼るだけではなく、農業によって人類は飛躍したのです。収穫はやがて取引され、ビジネスを生み出します。

 そして人間の創造力は、生活必需品だけではなく、文化を生み出しました。より美しいもの、深い感動を与えてくれるものの追求に人生をかける芸術家が出現し、物語や詩、絵画や音楽が発展します。

 音楽の発展は、科学技術の発展と軌を一にしています。新しい技術が新しい楽器を生み、新しい楽器は革新的な響きを奏でます。例えばギターは、その原型が古代ギリシアに遡る伝統的な楽器で、時代とともに発展します。旋律と和音とリズムを一台で奏でることができるので、小さなオーケストラと称されていましたが、音量が小さく、50年代末までジャズにおいても大きな役割は与えられませんでした。

 しかし、電気が全てを変えました。エレキギターが無限の可能性の扉を開いたのです。特に、ロックミュージックにおいては顕著でした。そして、疾風怒濤の1960年代の後半になると、天才ギタリストたちが覇を競う時代が到来。その主戦場に突然登場したのがジミ・ヘンドリックスです。

【ジミ・ヘンドリックス「紫のけむり」】<br />ロックの“ビッグバン”を刻む曲、誕生の瞬間とは?

 と、いうわけで、今週の音盤はジミ・ヘンドリックス“紫のけむり”(写真は、デビュー盤「アー・ユー・エクスペリエンスト」)です。