「貧乳ブラ」「キリトリ線ストッキング」など、キャッチーかつ斬新、デザイン性の高い商品を高校時代から生み出し、メディアの注目を集めている女子大生をご存じだろうか。

 新進気鋭のデザイナー・ハヤカワ五味さんは、今年4月に多摩美術大学に入学したばかりの18歳だ。その若さで、自身のファッションブランド「GOMI HAYAKAWA」を立ち上げた。会社設立も視野に入れ、ゆくゆくは海外進出を狙っているという。

ハヤカワ・ゴミ(本名:稲勝 栞)
1995生まれの18歳。東京出身、多摩美術大学グラフィックデザイン学科1年。 高校1年生の頃からアクセサリー類の製作を始め、高校2年生のときに初めてデザインフェスタに個人で出展。そのときに販売した『キリトリ線ストッキング』の写真が twitterで拡散され有名に。その後も『木目調ストッキング』ほかプリントタイツ類のデザイン、販売を受験の傍ら行う。大学入学後は、原宿、秋葉原などでの販売だけでなく、 海外通販、JAPAN EXPOでの販売も行っている。6月に原宿で行った、「少女漫画」シリーズの展示予約会には初日だけで100人の来客があり、年末には渋谷のGARRET udagawaにて 新作「RPG」シリーズのお披露目ショーイベントを予定している。8月には、GOMI HAYAKAWAの妹ブランドにあたるランジェリーブランド『feast by GOMI HAYAKAWA』を立ち上げ、 告知ツイートはtwitterで1万4000万RTを超えた。
Twitter:@hayakawagomi

 彼女の「仕事」は、デザイナーという枠に止まることはない。商品はもちろん、それに携わる喜びを人々に届け、プロジェクトに関わる人たちを楽しませることにまで力を注ぐ。

 そうした精力的な活動を突き動かす、彼女の原動力とは何か、そして、「ハヤカワ五味」とはいったい何者なのか――。

 この連載では、“バリキャリ”“ゆるキャリ”など、世間で語られる画一的な「女性の働き方」のイメージに囚われることなく、自分なりのペースや発想を大事にし、そして誰にも負けない信念を持って働く「イマドキの女性たち」にスポットを当て、紹介して行く。

「働くこと」をごく自然に受け入れ、意欲的に活動する彼女たちの姿は、女性ばかりでなく男性にとっても、「働き方」が多様化する社会でキャリアアップを目指すための参考になるはずだ。

 連載第1回は、ハヤカワさんの母校である多摩美術大学を訪れ、話を聞いた。待ち合わせの場所、学園祭の準備真っ最中で活気あふれる広場に、彼女は普通の女子大生と変わらないたたずまいで、ふらりと現れた。
(取材・文/フリーライター・宮崎智之、構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 安田有希子、写真/ダイヤモンド・オンライン編集部 小尾拓也)

人に“サプライズ”を与えることが大好き!
高校時代から商品を量産してきた経営センス

 ロリータファッションに熱中した中学時代。雑誌に掲載されていた情報をもとにハンドメイドでアクセサリーなどを製作するようになっていったハヤカワさん。

「中学の家庭科の成績は5段階評価で3だったんです。だからもともと裁縫が得意なわけではありませんでした。でも、服に興味を持ってから、どんどん上達していきました。自分が楽しいと思えることなら、身に付いていくんですね」