目線を高く保ち、広い領域を見渡すためには
他人と同じ本は読まない

 オリジナリティある仕事をしたいなら、自分の事業領域の周辺にも目を配れなければならない。例えば、ベンチャーキャピタルなど投資担当者は、できる限り多くのことを知らないと務まらない。様々なジャンルの企業に投資を行うから当然だ。仕事のためには、博覧強記であることが必要である。

 若いうちから目線を高く保ち、広い領域を見渡す努力は必要だ。そのひとつが、一見、仕事とは関係のない本を読むことなのだ
 こういった努力をしないと、社会人としての行動半径は年々、狭くなっていってしまう。

 仕事とは、慣れるにつれて自然と効率化していってしまうものだ。最初はいろいろと試していても、自分の仕事の全体像が見えてくると、最小努力で最大の結果を出そうとするようになる。
 すると、普通の人間は気がつくと自分のデスクを中心に、手を伸ばせば届く半径2メートル程度で仕事を完結させるようになっている。半径2メートルということは、自分の身長よりも少し長い程度だ。つまり、仕事のスケールは自分の体のスケールと変わらないのである。こういう人が将来、「大きな」仕事をできるようになるとはとうてい思えない。