この日、浦和のホーム・埼玉スタジアムは5万3000人超の観客で埋まった。その大半が浦和の優勝を信じて応援しに来たレッズサポーター。あと少しで優勝の喜びが味わえると思っていたところから一気に奈落の底へ突き落されたようなもので、とてつもなく落胆は大きかったはずだ。

J1残留を争った清水と大宮
健闘虚しく降格決定の大宮

 一方、J1残留争いも同様のギリギリの戦いが見られた。残留を争うのは勝点35の清水と32の大宮。得失点差は清水-18、大宮-14と大宮の方が上だ。大宮としては最終戦の相手・セレッソ大阪に勝ち、清水が甲府に負ければJ1残留となる。清水は引き分けでも残留できるわけで、条件は圧倒的に不利だが、大宮が勝って望みをつなげようと攻めに攻め、セレッソ大阪に2-0で勝利した。だが、清水も負けない戦いに徹して、0-0の引き分け。大宮は清水で勝点1及ばず、J2降格が決定した。

 降格が決まったチームはサポーターから容赦ないブーイングが浴びせられるものだ。が、この試合の大宮は、ほんの少し残っている残留の可能性を信じて攻め続け快勝した。大宮サポーターはその敢闘精神に感動し、選手たちに拍手を送った。しかしその直後、ネットからの情報で降格の現実を知らされる。筆者はこの試合を現場で観ていたのだが、試合終了時は勝った喜びと残留への期待感でスタジアムが少し盛り上がったものの、それが一気に重苦しい沈黙に変わるのを目撃した。

 わずか勝点1の差で分けられる明と暗。これが勝点制のサッカーリーグならではのドラマである。

 その点、J2の3位~6位クラブによるJ1昇格プレーオフは他会場を気にせず、試合を集中して観ることができた。しかも準決勝、決勝の2試合とも手に汗握る見応えのある好ゲームだった。

プレーオフでのJ1昇格は
シーズン6位の山形が奪取

 激戦を制してJ1昇格を勝ち取ったのは山形だ。山形はプレーオフを戦う3チームのなかでも一番下の6位。引き分けでは上位のチームが勝ち上がることになるため、山形は勝つしかない。準決勝の磐田戦は1-1でロスタイムに入った。このままだと敗退してしまう山形はコーナーキックでゴールキーパーの山岸範宏を磐田ゴール前に上げるパワープレーに出た。その山岸がヘッドで決勝ゴールを決めるという奇跡的な勝ち方をしたのである。