続く決勝の相手は千葉。千葉は過去2年、プレーオフに進出しながら、あと一歩で敗退した。「今度こそ」という思いは強く、選手は気合が入っていたし、その後押しをしようと、会場の東京・味の素スタジアムには2万人を超える千葉サポーターが集まった。

 だが、勢いに乗る山形はそんな圧力をものともせず、前半に先制ゴールを決める。後半は千葉の猛攻に遭うが、GK山岸をはじめ選手全員が体を張って守り、4シーズンぶりの昇格を決めた。

 J1の優勝争いとJ2の昇格争いを観て改めて感じたのはサッカーというスポーツの不思議さだ。ガンバや山形のように、チームの歯車が合い勢いに乗ると、ここぞというところでゴールが決まるし奇跡的なプレーも出る。また、不満の残る試合をしてもライバルもコケてくれる。事態が良い方に転がるのだ。一方、チームの歯車が狂いだすとそれが逆になる。今回の浦和がそうだし、昇格プレーオフで惜敗を続けている千葉がそうだ。選手は懸命にプレーしているのに結果がついてこない。良い流れが呼び込めないのだ。

 今季、J1に昇格したばかりだというのに、すでにナビスコカップ、リーグ戦の2冠を獲得したガンバにしたって2年前は歯車がかみ合わず、どうすることもできない状態だった。リーグナンバー1の得点力はあるのだが、それ以上に守備が崩壊。大勝することもある一方で、勝たなければならない試合を数多く落とし、J2に降格してしまった。その苦い体験を糧にJ2で地道にチームの立て直しを図ったことが今季の躍進につながったのだろう。

 それを考えれば、今のJ1とJ2の上位はそれほど差がないことになる。今週末(12月13日)に日産スタジアムで行われる天皇杯決勝は、今勢いに乗るガンバと山形とが対決する。J1の1位とJ2の6位という差はあるが、一発勝負では何が起こるか分からない。どちらの勢いが優るのか、見逃せない試合になりそうだ。

Jリーグの“老舗”
「オリジナル10」「オリジナル8」とは?

 ところで、今回のJ1の優勝争いにも残留争いにも、そして昇格争いにも1993年のJリーグ創設時から参加している「オリジナル10」と呼ばれる老舗クラブが絡んでいる。最終戦まで優勝争いをしたガンバ、浦和、鹿島、ギリギリでJ2降格をまぬがれた清水、またしてもJ1昇格を逃した千葉がそうだ。