事例5)高齢の父親のため、子ども2人で協力しあったHさん

生前対策で家族の絆を深める<br />遺族が相続税の持ち出しをしないで済むよう、節税対策を!

【相続事情】1人暮らしの父親は老人ホームから介護施設へ

 Hさんの母親は10年ほど前に他界、その後、父親は自宅で1人暮らしをしてきましたが、80代になると介護度が進み、1人暮らしに不安が出てきましたので、数年前から老人ホームに入所しています。

 Hさんも弟も実家を離れて住居を構えているので、同居する選択肢はありません。定期的に様子を見に行ってはいますが、ともに仕事があるため頻繁に行けず、不安を抱えていました。やがて、父親が屋内で転倒して骨折してしまい、入院。退院後は自宅に帰らず、介護施設に入所しました。

 その後もリハビリを続けていますが、自宅に戻れる可能性は低く、ずっと空き家になっていることもHさんの心配事でした。

【これが課題】不動産2ヵ所の節税ができていない

 Hさんの父親が住む自宅は空き家で、Hさん兄妹が同居する予定はありません。ですから、小規模宅地等の特例は使えません。また、貸し駐車場は満車になる見込みはなく、このままでは固定資産税も払えず、2人に負担がのしかかります。節税するためには、不動産の組み換えが必要で、父親に理解してもらう必要があります。