【現実はこうして解決した その1】自宅をリフォームして賃貸する

 自宅は築年数が経っていますが、あまり経費をかけずに節税対策ができることがわかりました。父親が自宅に帰って住む状況は難しそうで、さらにHさんも弟もすでに自宅を持っていることから、居住用の小規模宅地等の特例を使えません。

 そこで、父親のお金で室内をリフォームし、賃貸に出すことで賃付事業用の小規模宅地等の特例を使えるようにします。現金を消費することは節税にもなります。

【現実はこうして解決した その2】貸し駐車場を売却して、区分マンションに買い替える

 父親が購入した土地は、将来、子どものいずれかが住むことを希望していました。しかし、Hさんも弟もその土地に家を建てることがなく、貸し駐車場として維持してきました。ジャリ敷きで10台が止められる区画ですが、現在は3分の1程度しか借り手がないため固定資産税のほうが高く、持ち出し状態となっています。

 空き地のままでは自用地評価で減額できないため、節税効果は見込めません。この土地に賃貸アパートを建てることもできます。しかし、建築費の借り入れが必要ですし、子ども2人で運営するのは難しいと判断。売却して、財産を分けやすくするために2つの区分マンションを購入することにしました。

【対策実行後の効果】相続税は580万円節税できた

 Hさんは父親、弟と相談の上、自宅のリフォームを決断しました。リフォーム後すぐに入居の希望があり、家賃収入が毎月17万円入るようになり、父親の施設利用の費用が捻出できるようになりました。貸付用の小規模宅地等の特例も使えるようになり、相続になっても節税できます。