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「成果をあげるには、自らの果たすべき貢献を考えなければならない。手元の仕事から顔を上げ目標に目を向ける。組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。そして責任を中心に据える」(ドラッカー名著集『経営者の条件』)
自らの果たすべき貢献を考える者は、部下が果たすべき貢献についても考える。あなたに期待できることは何かと聞く。こうして本当のコミュニケーションが行なわれるようになる。
しかも、貢献に焦点を合わせることによって、横へのコミュニケーション、すなわちチームワークが可能になる。
加えて、最も重要な貢献は何かを自問することは、いかなる自己啓発が必要か、いかなる能力が必要かを考えることにつながる。
そして、貢献に焦点を合わせるならば、部下、同僚、上司を問わず、人の自己啓発を触発することになる。仕事のニーズに根ざした基準を設定することになる。すなわち卓越性を要求するようになる。
こうしてドラッカーは、貢献に焦点を合わせることによって、コミュニケーション、チームワーク、自己啓発、人材育成という、成果を上げるうえで必要な四つの基本条件を満たすことができるという。
われわれは、人についても組織についても多くを知らない。しかし、人にせよ組織にせよ、果たすべき貢献を考えることによって成長することは知っている。
「自らに少ししか求めなければ成長しない。多くを求めるならば何も達成しない者と同じ努力で巨人に成長する」(『経営者の条件』)