「仕事のメニュー」を作り、
しっかり公開する

”なぜあなたは、無料で仕事依頼されるのか?”<br />フリーランスのための「値付け」入門井ノ上陽一(いのうえよういち)
1972年大阪府生まれ。宮崎県育ち。大学卒業後、総務省統計局に勤務し、数字の分析手法とITスキルを学ぶ。しかし、「自分がやりたかったのは、組織で死ぬまで働くことなのか?」という思いから、税理士受験に挑戦。見事合格し、2007年に独立を果たすが、独立後、新たな壁が立ちふさがる。「自由になった!」という理想は一瞬で崩れ、「仕事・時間・お金」に追われるだけの生活が続く。そんな中、ある大口顧客の契約解除をきっかけに、働き方を一新。結果、「自分のやりたい仕事が、無理なく継続的に入ってくる」という環境を作り上げることに成功する。現在はセミナー・執筆などを通じて、「数字」「お金」「時間」「IT」に関する悩みを解決し、新しいワークスタイルを提案している。ブロガーとしての顔も持ち、自身が運営しているブログ「EX-IT」は、2700日以上連続更新。月間30万PV(月間ユーザー19.7万人)の人気。

 たとえば税理士の場合、顧問契約を有料で受けるのであれば、「無料で相談を受ける」、つまり知識・スキルを無料提供することは、有料のお客さまに申し訳が立ちません。そのために欠かせないのが「メニュー作り」です。このメニュー作りがおろそかだと、「無料で仕事を頼まれるリスク」が高まるとも言えます。

 まずは、自分の仕事のメニューを作ります。どんなことができて、どんなことが得意なのかをメニューにしましょう。

 続いて、メニューに値段をつけます。もちろん無料のものも含みます。最後にメニューを公開します。場所は、HPやブログです。

 私の場合、各種コンサルのメニュー、税務顧問などをメニュー化し、値段をつけ、公開しています。コンサルティングを有料メニューに入れれば、ただで仕事を頼まれることも減ります。話すこと、伝えること自体に価値があるからです。フリーランスには、「何に価値があるか」を明らかにする義務があります。なぜなら、専門以外の方には「何に価値があるか」がわかりにくいからです。

「メニューに値段をつけない」と、有料で提供したいサービスを無料で依頼されてしまいます。「自分の知識とスキルには値段がついています」ということを知ってもらわなければ無料で頼まれるのです。このように「無料で仕事を依頼されないための工夫」が必要です。