零細事業者がひしめく駐車場業界で1500億円の断トツの売上高を誇り、200億円近い経常利益を稼ぐパーク24。ホテルのような稼働率マネジメントとコンビニエンスストアのような出店・IT戦略がその強さを支えている。 (「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 田原 寛)

 時間貸し駐車場の市場で首位に君臨するパーク24。街には黄色地に黒文字で書かれた「Times」看板が溢れている。グループ会社であるタイムズ24の営業マン、佐佐木照尚氏の朝は、パソコンや携帯電話で「TONIC」と呼ばれる画面を立ち上げることから始まる。

 TONICは全駐車場の状況をオンラインで確認できる管理システムだ。佐佐木氏は担当エリアである東京都文京区と北区にある駐車場約190件の稼働状況を入念にチェック。稼働率の変動が大きい箇所があれば、すぐに現地へ駆け付け、周辺状況を確かめる。

パーク24の成長を加速させたオンラインシステム「TONIC」の画面(右)。携帯電話でも利用でき、入念なチェックは営業マンの日課

 なぜそこまで稼働率に目を光らせるのか。

 タイムズ駐車場は全国に約1万4000件(直営のみ、管理受託を除く)。その駐車場料金、実は稼働率に合わせて変動している。

 ホテル業界では繁閑に応じて客室ごとの料金設定を細かく上下させ、全体の稼働率を高めるレベニューマネジメントが一般的に行われている。それを駐車場で導入しているのだ。