今年後半に世界経済が安定化するなら、先行してリスク資産・通貨が反発するという想定どおりの展開になった。
リスク通貨は債務国、コモディティ輸出国、新興国など景況悪化に脆弱な通貨をいう。上図は、経済に明るい兆しが出始めた3月末から1週間と2ヵ月間の主要通貨の対ドル騰落率だ。
リスク通貨が軒並み急伸し、ドルが全面安となった。円は危機環境で「安全通貨」として最強だったぶん、最初の1週間は対ドルでも反落した。しかしそれを牽引した投機的な円買い持ちの巻き戻しが一巡すると、脆弱なドルに対してじり高に転じた。