人材育成の目的で、一番の王道は何か。組織には目的があって、その目的を完遂するために新たな戦略が立案される。その戦略を実行することができるスキルや知識、経験を持った人材を育てることこそ王道だ。

 戦略を実行するのは人だ。その人が物足りないと思ったら、外から採用するか、あるいは育てる、または鍛えるしかない。外からできる人間を採用したとしても、すぐに使えるとは限らない。組織に適合させるためのトレーニングが必要だから、どのみち人材育成は必要になる。

 つまり、新たな戦略を立案して実行しようと思ったら、もれなく人材育成がセットでついてくると思ったほうがいい。そのくらいに人材育成とは、目的的で戦略的なものなのだ。

 ちなみに、人材育成の目的は全部で3つ、つまりあと2つある。1つは、今、営業ならば営業のマンパワーが足りないので、短兵急に現有戦力の能力を上げないといけないという場合。もう1つは、新しい経営手法や技術が導入されたので、勉強し直さなくてはならなくなったという場合。

 しかし、やはり王道は戦略立案に伴い、その実行を担保するための人材育成だ。もちろん、新人から育成するということも重要な育成テーマだが、その場合も、漫然と旧態依然とした方法で行うのではなく、この戦略に沿って、教える内容も変わっていかないといけない。

 まず、その人に何をやってもらいたいのか、どういう役目を担ってほしいのかという目的を必ず先に持つこと。

 その目的から逆算して、それでは、どのような能力をどのレベルでつけてもらうのか、また、どんなマインドセットを持ってもらわないといけないのかということを決めて、そのための方法論を考える。

 そんなところから、人材育成は個別に、目的的に組み立てていってほしい。