こうした傾向をまとめてみると、下の図のようになるだろう。

 これでは、水と油である。ビジネス部門が、もう「人事部門には頼らない」と考えるのは当然のことだ。

人事部門の無責任性が
ビジネス部門への業務移管を加速

 かくして、ビジネス部門は、能力開発の役割を人事部門からビジネス部門へ移管しようとする。人事部門を信頼していないからだ。人事部門が給与・福利厚生をはじめ人事施策のプロセス管理を担い、ビジネス部門が能力開発や業績管理を担うという住み分けをし始めている企業は、主として大企業に多い。

 完全な移管とまではいかなくとも、人事部門とビジネス部門との間で、階層別研修と業績管理事務は人事部門、ビジネススキル向上と業績向上策の実施はビジネス部門、というように、切り分けている企業も多い。

 人事部門はビジネス部門に仕事を奪われているわけだが、当の人事部門はこうした住み分けや切り分けを歓迎している。「人事は本社からやれと言われたことはやりますが、それ以上のことは、ビジネス部門で考えてください」というわけだ。また、「人事はビジネスのことは分からない」といった言い訳をする人事部門も数多い。