シーン3
業務の進捗状況を正しく確認できない

 自分自身の業務が繁忙になってきたNさん。Sさんに任せた業務がどのような進捗状況にあるか、正確に把握できなくなった。

ベストプラクティス3
部下の話をしっかり「聴き切る(Listen,Listen,Listen)」

 定期的にミーティングを行い、部下の話をしっかり「聴き切る」ことが大事です。

 上司は「聴き切る」ことで、部下の考えや取り組みを正しく把握できるので、適切なアドバイスやサジェスチョンを送ることができます。「聴き切った」と思えた後に少しだけアドバイスする、という姿勢が望ましいでしょう。

 一方、部下は「聴き切ってもらう」ことで、上司を信頼し、アドバイスやサジェスチョンを素直に受け入れるようになります。上司の話をしっかり聞き、メモを取りましょう。

 聴き切るために有効なのがメモをとることです。メモをとっている行為自体が「聴いてますよ」というサインになりますし、メモをとることで、こちらから話をしたくなるのを防ぐことができます。

「聴き切っていない」指導
    →最初に聴き切っていないので、信頼関係は生まれません。次のような行為をしていないか注意しましょう。

 × 聴き切らないうちにアドバイスする(アドバイスがトレーニーの心の中に入らない)
 × トレーニーの話がズレているなと思ったら、話の途中でも、その場ですぐに指摘する
 × 話の途中で「なぜなぜ」と責める質問ばかり投げ掛け、相手を袋小路に追い詰めてしまう

「聴き切る」指導
    →最初に聴き切ることで信頼関係が生まれます。次の方法を試してください。

 ○ 聴き切ってからアドバイスする。(アドバイスがトレーニーの心の中にスーッと入る)
 ○ トレーニーの話がズレているなと思ったら、その場で指摘せずに、メモを取って後から指摘する
 ○ 話を聴き切った後、どうすべきかを少しだけアドバイス、サジェスチョンする