4:「もったいないこと」をして、自分を追い込む
次は私が「代償の先出し」と呼んでいる方法です。先に「お金」を投じたり、大事なものを捨てるなど、目標のために「犠牲」になるものをつくってしまうのです。
たとえば英会話を上達したいと思ったときに、英会話学校の半年コースなどにまとまった金額を振り込んでしまうというのがいい例です。英会話を勉強したいと思っているだけでは、いろんな事情をつけてサボったりしてしまい、そのうちにあきらめてしまったりするものです。ですが、さきに学費を払い込んでいたら、それが「もったいない」という気持ちが努力の継続の後押しをしてくれます。
自分のことでいうと、私は昔からとても太りやすい体質で、ケンブリッジにいたときは83キロありました。もちろん、とくに筋肉質で重かったわけではありません。勉強はがんばって修めたけれど、もうちょっと痩せないと、これでは人前で話したりするときに体裁がわるいように思いました。そこで、ダイエットにも努力の方法論を使うことにしました。
そのとき、とくにこの「代償の先出し」は抜群の効果がありました。ちょっともったいないのですが、「ダイエットするぞ」と決めたその日に、「食べない」と決めた食べ物を捨ててしまいました。
食事制限をするのであれば、いま家にあるものも結局は食べないものがいろいろと出てきます。であれば、その「代償」は先に出してしまおうということです。とくに炭水化物やお菓子類は思い切って捨てていきました。それもちゃんと「よく見てから」捨てました。
いちいち確認してから捨てることで、「あれも捨てた、これも捨てた」という意識が強く持てます。こんなにもったいないことをしたのだと思うと、がんばらずにはいられないという意識がセットされるのです。私はこれで20キロ以上も痩せられました。