海外生活11年間で正月の帰省はたった3回
なぜ僕は「親不孝なダメ息子」なのか?

日本のおせちと美味しいお酒を頑張って提供してくれるお店のお陰で、シンガポールでもお正月気分を味わえる

 新年あけましておめでとうございます。著者は昨年12月31日まで働き、正月の余韻に浸る間もなく1月2日から働くという、日本人としては実に寂しい(恥ずかしい?)正月を過ごしたが、皆様の多くは正月休みを満喫されたことと思う。

「正しい日本人」のあるべき姿として、年に一度の年末年始は大切にしたいもの。子どもの寝かせつけで見逃したNHKの紅白歌合戦を肴にウィスキーを飲みながら年を越し、そのまま三が日くらいは正月らしいことをしながら過ごしたいところだ。

 ちなみにウィスキーは長年の親友である「ジョン=私がつけたジャック・ダニエルの愛称」を愛用しているが、最近は朝ドラ「マッサン」に敬意を表してニッカウィスキーか山崎も飲んでいる。

 しかし、会社の欧米人は「クリスマスホリデーも終わったんだから、年が明けたらさっさと働け」オーラを発しながらバリバリ働き、シンガポール人たちは6割が中華系なので旧正月の方を重視し、12月31日のカウントダウンがテレビ放送されているにもかかわらず、1月2日から通常業務に戻ることに疑問を持たない。

 1月2日から出勤かと思うと、「元日にあまり飲み潰れることもできないじゃないか」とグチの1つもこぼしたくなるが、ここはアウェーであるシンガポール。諦めるしかないのが悲しいところだ。

 そしてこの時期、日本らしい正月と共に懐かしく思い出すのが、田舎に住む両親のことだ。シンガポールに引っ越してもうすぐ12年目に入るが、筆者はその間、3回しか両親と一緒にお正月を過ごすことができなかった親不孝者だ。理由は4つある。

(1) 日本以外のアジア圏では
旧正月が「お正月」

新年が明けたと同時に、2月の旧正月のための飾りや食品が売り出され、街中は旧正月ムードに包まれる

 実は、アジア諸国の中で日本だけが新暦正月を祝っており、その他のアジア圏では旧正月が日本のお正月に相当する。とりわけ今年は2月19日(木)・20日(金)からの4連休になるので(太陰暦の祭日は日にちが変更されるときがあるが)、この期間はどこに旅行に行っても劇的に混んでいるだろう。

 とどのつまり1月2日なんて、日本人以外の人にとっては「平日扱い」なのだ。著者は日本以外に韓国のお客も担当しているので、余計に休みづらいのが悩ましいところだ。