書店に足を運べば、新人としての心得やビジネスマナーについて書かれた本が平積みになっていることだろう。日本だろうがシンガポールだろうが、社会人として新しい環境に馴染むための努力をするのは、大切なこと。しかし、注意してほしいことがある。その努力はマイナスポイントをつくらないためであって、社内での評価アップに繋がるプラスポイントではないのだ。
入社したばかりのあなたは、想像以上に注目の的となる。役職があろうとなかろうと、仮にパートやアルバイトであっても、あなたは注目され、そして「今度の新人、どう?」と吟味される。
周囲の人たちと楽しく打ち解け合える「仲間」となるか、業務をハイパーにこなす「ヒーロー」になるか、あるいは閉塞感を打開する「リーダー」になるかは本人次第だが、一度職場に入れば自然と査定され、区分されることには変わりない。
それがシンガポールとなれば、新人が浴びる「洗礼」はより鮮烈なものとなる。中でも日本人は、アジアにおいて最も憧れられている人種ゆえに、どんな人でもやたらと好奇の目に晒される。ちょっとしたアイドル状態だ。良い活躍も多少過大評価されるが、失敗もこの上なく目立ってしまうのだ。
そんなタイトロープな状況をどう打破すべきか。何も知らずに体当たりで挑み、試行錯誤する前にぜひ知っておいてほしい「プラス評価の構築方法」を、リーゼント的な経験から5つのポイントにまとめてみた。それが、「浪花節処世術」5大ポイントである。意外かもしれないが、グローバルな企業社会での人々の働き方は、海外経験のない日本人が思っているほど「ドライ」ではない。それどころか、日本の浪花節にも通じるウェットな部分もたくさんある。だからこその「浪花節処世術」なのである。
シンガポールをはじめ、これから海外で働き始める皆さんにとって、実践的で役に立つ内容だと思う。老婆心ながら参考にしてもらいたい。
グローバルで評価される
「浪花節処世術5大ポイント」を知ろう
まず、ポイントを紹介する前に、理解していてもらいたい大前提がある。それは、「新人の評価は最初の3ヵ月で決まる」ということだ。新人にとって最初の3ヵ月は実に不安定で、どのように振る舞うかによって職場でのポジショニングが決まってしまう大事な時期なのだ。
日本からシンガポールに転職、駐在してきた方々は、海を越えて引っ越して来るので、仕事だけでなく生活環境も変化する。この3ヵ月をいかに成功させるかで、生活の楽しみ方にも大きく影響してくる。だからこそ、新天地にてさらなる成功を目指す方々に、今から紹介する、評価されるビジネスマンの「浪花節処世術」5大ポイントを活用していただきたいのだ。