最近、現地では、中国政府(国家発展改革委員会)が7兆元(約133兆円)の景気刺激策を講じる旨の報道がなされたが、これは通常の認可プロジェクトを合計したものであり、追加プロジェクトの話云々ではない。

 2014年の固定資産投資は前年比15.7%増と、2013年の同19.6%増から大きく減速した。内訳を見ると、インフラ投資は2013年の同21.4%増⇒2014年は同20.4%増と増勢を維持しているが、不動産開発投資は同19.8%増⇒同10.5%増、製造業投資は同18.5%増⇒同13.5%増と伸びが大きく鈍化した。

 ただし、設備過剰感が大きい鉄鋼やセメントなど重化学工業分野の投資抑制は、政策効果発現の面がある。今後も想定されるのは、既述のように分野を絞った下支え的なものであり、投資全体を浮揚させる本格的な景気「刺激策」が実施される可能性は極めて低い。2015年の固定資産投資は、緩やかに減速する可能性が高い。

安定した雇用維持のため
中小・零細企業向け支援策を強化へ

 馬建堂・国家統計局局長は、GDP統計発表時の質疑応答の中で、「経済成長率は7.4%、都市新規雇用増加数は1322万人(純増数は1070万人)、失業率(調査ベース)は5.1%前後、消費者物価上昇率は2.0%であり、これらは、中国経済が合理的な範囲内で推移していることを示している」旨を指摘した。中国政府は経済運営上、雇用と物価を特に重視しているが、資源・エネルギー価格の下落により、2015年の物価は安定した推移が続くと見られる。当面は、安定した雇用の維持に最大の注意が払われよう。

 2014年12月に発表された第3回全国経済センサスの結果によれば、2013年末時点の第二次産業、第三次産業を担う法人企業のうち、小型・零細企業は785万社と全体の95.6%を占め、従業員数は全体の50.4%の1億4730万人を数える。安定した雇用の維持には、中小・零細企業対策が不可欠であり、2014年11月22日に実施された2年4ヵ月ぶりの利下げの主目的も、これら企業の資金調達難の緩和であった。

 金融統計を見ると、経済全体の資金調達額である社会資金調達金額は、7月以降続いた前年割れから12月には前年同月比34.9%増と大幅なプラスに転じている。11月と12月の人民元貸出増加額は、それぞれ同36.5%増、同44.5%増を記録した。