スマホ市場は二大セグメントに集約
日本メーカーが勝ち上がる術はあるか?

 これからの世界のスマホ市場を考えると、おそらくマーケットは2つのセグメント(分野)に分かれるだろう。1つは、所得水準が高い先進国で、技術集約性の高い製品が主力になるマーケットだ。もう1つは、所得水準が相対的に低く、機能よりも価格に対する意識が高いマーケットだ。

 2つのセグメントに適した製品供給を行えるかどうかは、スマホメーカーにとって“生き残りを懸けた”重要な戦略となる。

 おそらく、アップルは強力なブランド力を生かして、高機能・高価格のハイエンド製品に特化する戦略を取ると見られる。それと同時に、新興国の所得水準の上昇に合せて、それらの国にもハイエンド製品の供給を積極化するだろう。

 一方、価格帯の低いローエンド製品が得意なシャオミなどの中国メーカーは、自国をはじめ新興国マーケットに照準を合わせるはずだ。彼らのバイタリティを見ると、相応の成果を上げることは可能だ。

 問題は、アップルと中国メーカーに挟み撃ちにされているサムスンだ。足もとのブランド力では、すぐにアップルに太刀打ちすることは難しい。一方低価格マーケットでは、中国メーカーから追い上げられる可能性が高い。自社が中心となってOS「Tizen」を開発したものの、それを使ったスマホの評判は芳しくない。

 さらに大きな問題を抱えるのは、わが国メーカーだ。家電製品のデジタル革命に遅れ、市主力製品であるスマホ市場でもプレゼンスは極めて小さい。そうした状況を考えると、わが国メーカーに残された選択肢は、スマホのニッチ分野で製造を続け、市場の変化に敏感に反応して再起を図るか、あるいはとりあえずスマホから退いて、スマホの次のチャンスを待つかのいずれかだろう。

 わが国メーカーにとって最も重要なポイントは、今後スマホでの退潮を繰り返さないように、それを失敗体験として、組織の中にしっかり残すことかもしれない。