コンピテンシーとは面白いもので、どれか1つが抜きんでているよりも、どれもバランスよく発揮されているほうがより良い結果につながるということが過去の研究から明らかになっている。

 例えば、効率向上のコンピテンシーが抜きんでているが、対人関係はいまひとつ、という人の場合、仕事や家事はバリバリこなしているけど、周囲からのサポートが得られず、長期的には孤立してしまったり、仕事の抱え込みすぎで体調を崩してしまったりといったリスクがある。

 逆に対人関係は優れているけれど、効率が悪いという人の場合、最初は周囲から助けてもらいながらなんとかやれても、だんだんと「お荷物」扱いされる可能性がある。だからといって何事も完璧を目指すような仕事ぶり・家事ぶりは、WLBがとれなくなるので、本末転倒。そういう意味では、「ほどほど」にやるマインドも必要となってくる。

 私が出会った、WLBの達人たちは、このあたりのバランス感覚に長けていた。あるいは、悩みながらも都度バランスをとるための選択をしていた。

 だからといって、今現在バランス良くできていなくても、大丈夫。コンピテンシーは、性格診断と違って、意識さえすればどんどん伸ばしていくことができる。WLBの達人も、最初からこういう思考・行動がとれたわけではなく、いろいろと苦労しながら試行錯誤の結果、現在の達人レベルに至っているわけで、最初から達人だったわけではない。

 先人たちの知恵を知ることで、きっとあなたは、先人よりももっと早く、楽に、ハッピーなワークライフバランスの取り方を覚えることができると思う。私自身、達人の知恵を学ぶことで、「ムリ!」と絶叫していた時と比べて、ずいぶんとハッピーでいられる時間が増えてきた。

「普通」に働くことで
会社と自分をWin Winの関係に

 私がこのコンピテンシーを広く世に広めたい理由は、先人が苦労しながら習得してきた行動・知恵を、より分かりやすく体系化することで、様々な事情でワークライフバランスに悩む人の役に立てるのではないか、という思いからである。