中国では、経済力の上昇と人民元の切り上げも相まって、日本の不動産、株式に対する割安感が強まっている。日本の不動産については、中国の国家ファンドも資産運用の一環として興味を示しているとの噂もあるほどであるが、日本の手ごろなマンションであれば中国人個人にとっても金額的にも十分手が届く存在となっている。
ちなみに上海の不動産価格(マンション)を見てみると、内装のつかないスケルトンベースで、内環状線内(日本でいえば山手線周辺といったイメージ)のマンションで平米65万円程度、内装をつけるとおそらく平米70万円近くするので、80平米の3LDKでも5600万円する計算となる。これはあくまでも一般向けの価格なので、富裕層向けとなれば平米100万円から200万円する高級物件も出現しているのが現状だ。
この度、東京のある不動産仲介会社が、日本の複数の不動産デベロッパーの委託を受け、上海で『日本不動産の視察ツアー』を募集したところ、9組11名の応募があり、筆者も中国サイドのお手伝いをした関係ですべての旅程に同行した。
日本のマンション・別荘を買いたい
中国の資産家たち
今回参加したメンバーは、30代から50代の上海人の資産家たち。職業は、保険のブローカー、ベンチャーキャピタルの経営者から中小企業(貿易、メーカーなど)の社長までさまざまであった。いずれも上海市内に最低4、5件の不動産を所有しており、ある人はすでにマレーシアにも別荘を所有しており、嬉しそうにプール付きのその別荘の写真を見せてくれた。