「アパート・マンション経営」に関する本や「REIT投資」に関する本が、書店にずらりと並んでいる。ビジネスパーソンを含む個人投資家の間で、不動産関連投資への関心が高い証拠だろう。

 このアパート・マンション経営やREITへの投資は単なるブームなのだろうか?

 確かに「REITは結構儲かるらしい」、「アパートマンション投資は節税効果があるらしい」といった評判が広まっているという側面もあるだろう。

 だが、一方で、インフレヘッジ(回避)の手段と考えている人も多いようだ。日銀による金融緩和政策は事実上のインフレ誘導策と言ってよく、実際にIMF発表データでは2013年は+0.36%、2014年は最終的な数字が出ていないものの+2.5%を超えそうで、その“効果”は出ていると筆者は考える。改めていうまでもないことだが、インフレ状況下では物価は上昇し現金(円)の価値が下がる。そうした状況では、リスク回避のために、金や不動産といった資産に現金を替える動きが見られる。

 先行きの不安から、こうした投資をこれから始めようとする人もまだまだ多いことだろう。

 そこで今回は、アパート・マンション投資やREIT投資のメリットとデメリット(リスク)について以下でお伝えする。

 まず押さえておきたいのは、不動産関連投資は、不動産価格そのものの値上がり益(キャピタルゲイン)よりも、賃料収入(インカムゲイン)でのリターン確保に軸足を置くものであり、「利回り」を基準に考えるのがポイントだという点。それを念頭に置きながら、REIT投資から解説しよう。