世界的な金融の混乱の影響を受けて、ついに大和生命が破綻した。大和生命は、もともと財務的に苦しかったことに加えて、リスクの高い運用をしていたので、特殊なケースだと言われているが、今後、金融危機がさらに深まった場合に、次の破綻候補が話題に上るかも知れない。
新聞や雑誌によく出てくるデータは、株式含み益がゼロになる日経平均水準の推計値だ。たとえば「週刊ダイヤモンド」10月25日号に載っている「大手生保の株式含み損益シミュレーション」という一覧表では、朝日生命では1万2750円、住友生命では1万0400円で株式含み益がゼロになるといった数字が載っている。逆に損益分岐点が低い生保の数字を拾うと、明治安田生命が7400円、日本生命が7600円などが、株価に関して余裕のある大手生保の損益分岐点ということになる。
こうした状況になると、たとえば雑誌に載っている表のコピーを持ち歩いて「◯◯生命さんは、そろそろ(危ない)らしい」などと言って、危ないと噂される生保を解約させて、自社の保険を販売しようとする「ハゲタカ・セールス」とでも呼ぶべき、セールスが横行することがある。こうしたセールスは、何とも感じが悪いが、「あなたの保険は本当に大丈夫なのか?」と言われると、どう答えていいか、さらに具体的にどうしたらいいかが分からない方が多いのではないだろうか。
生保の安全性を比較するなら
損益分岐点株価よりも格付け
順を追って考えてみよう。
日本の生保が危ないかどうかだが、これに対する答えは、もはや「危なくないとはいえない」ということだろう。日本では、1996年の日産生命以降、現実に生命保険会社が破綻した例が複数あるし、この際に、契約者が損をしたことがある。状況がここまで来ると、ぼんやりと安心していていい訳ではない。