社内で進む減産計画

 ところが、である。時期を来期まで見通すと、事情は違ってくる。シームレス鋼管の中でも、油田・ガス田の掘削に不可欠な「掘削用油井管」は屈指の高収益商材といわれているのだが、「まだ予算策定中の段階ではあるが、16年3月期の掘削用油井管を減産する」(新日鐵住金関係者)方向で調整しているという。具体的には、15年3月期の約60万トンから40万トン前後へ減らす計画のようだ。しかも、「対策を打たなければ生産量が半減するリスクすらある」(同)。ちなみに、競合のJFEスチールも同様に、約5万トン前後の減産計画を練っているという。

稼ぎ頭の掘削用油井管は、旧住友金属工業の和歌山製鉄所(写真)で製造されている
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 粗鋼生産量4800万トンの新日鐵住金からすればささいな減産幅に見えるかもしれないが、「減産で年間1000億円の減益要因ともなり得る」(アナリスト)ほど、掘削用油井管は“虎の子”の製品なのだ。

 視野をグローバルに転じれば、掘削用油井管を製造できる鉄鋼メーカーは、日系2社に、米USスチール、欧州V&M、南米テナリス、中国系に限定されるほどに再編が進んでいる。USスチールが一部操業を停止したり、テナリスがレイオフを実施したりするなど、じわじわと悪影響が広がっている。

 いずれ、顧客である資源メジャーから値引き要請が来るのも必至な情勢だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)