干物をおしゃれに変身させた創業110年老舗の大勝負サスニンベンの「真ホッケの干物」。干物が食べたくてたまらなくなる、すてきな写真の撮影はサスニンベンの磯崎俊成さんによるもの

 日本人の魚離れが問題視されるようになって久しい。食卓に魚が並ぶ機会が減り、魚食文化の衰退が懸念されるなか、子どもたちに魚の美味しさを伝える教育も大切だが、結局はそのお母さんたちが、魚に接していなければ、話は先に進まない。

「さばくのが面倒」と、なにかと「肉負け」しがちな魚を手軽に取り入れるという意味で、水産加工品はおすすめだ。しかし「女子が手に取りたくなるような」商品や売り場を見かけることは滅多にない。

 最近は日本各地の道の駅ですら、農産物を使ったおしゃれなパッケージの加工品が数多く並ぶにもかかわらず、なぜか「水産加工品」だけが「ザ・昭和」。すっかり時代が止まっているように見えるのはわたしだけだろうか?

 というわけで、かねてからわたしはずっと思ってきた。「もっとスタイリッシュでキュートなデザインの商品があれば魚食女子だって増えるに違いない!」。

 たとえば干物。

 しみじみ食べる干物はとても美味しい。しかし、これこそ最も進化ゼロ。しぶい、ひなびている、彩り感皆無、ひねりなし、土産物屋のショーケースでなんだか姿自体もわかるようなわかんないような感じ。

 邪道だと思われるかもしれないが「きゃー、すてき」と女子が手に取るきっかけがあって、食べてみることで「干物LOVER」になってもらえたら、それでいいのではなかろうか。だからあったらいいのに。

「おしゃれ干物」。

 日本国内のどこかにあるのだろうか? 思い立って検索してみた。

 調べているうち、なんと! 予期せぬことに、とんでもなくカッコいい干物WEBサイトにたどり着いた。

 店の名は「サスニンベン~himono SASUNINBEN~」。干物が英字になっているのを見たのは初めてかもしれない。そのサイトは、おおよそ干物店にはありえない、美しい画像が並ぶ。なにせ干物といえば子どもも女子もそそられない「キング・オブ・茶色系」の“枯れキャラ”。それにもかかわらず、いたって「カラフル」なのである。

 パッケージもおしゃれで、思わず手に取りたくなるばかりか、「プレゼント」にしたくなるような商品が並んでいる。これはもう実店舗に行くしかあるまい。