子どもとともに育つ、女性らしい会社
――女性の働き方という視点から見たとき、マツヒサ ジャパンはどんな会社なのでしょうか?
純子 マツヒサ ジャパンがスタートした時、私は独身でしたが、福本さんは結婚していましたよね?
福本 そうですね、上の子が生まれてすぐ、3ヵ月の頃です。それで、子どもが生まれて一度NOBU東京を辞めていました。でも「あっちゃんは家で子育てだけをしているのは似合わないから、手伝わない?」と、今度はマツヒサ ジャパンに誘ってもらえました。
純子 もちろん子どもは最優先だけど、もし時間があればヘルプしてくれない? という気持ちでした。だから、彼女には、いわゆる「9時5時」のフルタイム勤務はお願いしませんでした。自分の人生を楽しくすることと、子育てを、うまく会社をつかってできるのであれば、ぜひジョインしてもらいたい、そんな気持ちでした。当初は子どもをおぶって出社したこともありましたよね?
福本 子連れミーティングしましたね(笑)。この会社だから両立できたというのはありました。
純子 スケジュールがフレキシブルな点は子育てにとってはメリットですね。一方で、クライアントが時差のある海外にいるということは、深夜にミーティングが入ることもあり得ます。つまり仕事とプライベートが溶け合っている24時間を過ごさなければならないので、子育てをしながら働くのは、当然チャレンジングではあります。でも、私は女性2人だけの会社らしいとよく思います。子どもを育てながら私たちも育っていく、というか。
福本 そうですね、今のテクノロジーがあるから、今の私たちのやり方が成り立つのだとも思いますね。NOBUは5大陸30都市にあるので、よく「出張が大変でしょう」と言われることがありますが、実際にはメールやスカイプなどを駆使してミーティングを重ねます。逆に出張ばかりしていては、回し切れません。15年かけて、私たちのやり方に時代が追い付いてきた感覚がありますね。今はいろんな店舗に行って、ネット上で見た顔と実際の人が一致する瞬間が嬉しいですね。