一見、お手盛りだらけで、管理機構から見れば突っ込みどころ満載の仕事ぶりである。だから後に“失敗”を検証した人から見ると、そういう仕事ぶりはマズイ、止めるべきだ、自由にやらせすぎてはいけない、ということになるのだが、意欲的な新規プロジェクトというのは、最初はだいたいこのようなものなのである。しかも、意欲的であればあるほど、そもそも論としてプロジェクトの成功確率はとても低い。

 異色な人材に自由にやらせることを否定してしまうと、大きな問題は起こらないかもしれない。しかしそうなれば、ただでさえ低いプロジェクトの成功確率はさらに低くなってしまいダイナミックな事業展開が難しくなってしまう。リスクを取らないことで、もっと大きなリスクを抱え込んでしまうのだ。

大ボス、メンター、異才な実行責任者
この三役の存在が必要

 このように書き進めてくると、ではいったいどうすれば良いのか、という話になるかと思う。

 唯一の解答などあろうわけもないが、事業開発に関係する人たちの間でよく言われる経験則のようなものがある。それは、野心的な新規プロジェクトの成功のためには、「大局観があり腹を決めた大ボス」「的確に指導し、守ってくれるメンター」「実践能力がある異才の実行責任者」という三者が揃う必要性があるのではないか、ということだ。

 強い意志をもつ大ボスが、予算と人をつけプロジェクトをスタートさせる。少々の失敗くらいでは微動だにせずに任せ続ける強さを持ち、他者からの余計な干渉を排除し、失敗したら自分の進退をかけるくらいの責任感を持っている人物である。

 的確に指導し守ってくれるメンターは、プロジェクトの勘所がわかり、経営資源の確保や、会社への話の通し方などにおいて適切に指導してくれる人である。外部からの圧力や干渉の盾になる機能も担う。

 そして才覚に富み、プロジェクトを具体化させていく実行責任者である。