ベンチャーは日本経済の“主役”になれるのか──。1月22日、都内のホテルニューオータニで第1回「日本ベンチャー大賞」の授賞式が開かれた。全153社の応募の中から、審査を経て絞り込まれた計6社の受賞対象が発表された。

壇上で表彰状を手渡す安倍総理大臣。経済成長戦略でベンチャー支援を打ち出している
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 イベントの目玉は歴史上初めて、総理大臣がベンチャー企業の経営者を表彰することだった。

 最優秀の内閣総理大臣賞に選ばれたのは「ユーグレナ」。2005年12月に世界で初めてミドリムシ(学術名=ユーグレナ)の屋外大量培養に成功した、東京大学発のベンチャー企業だ。

 出雲充社長が学生時代にボランティアで訪れたバングラデシュで、子供の栄養不足を補いたいと考えて、学内で探し回って発見したのがミドリムシだった。ワカメや昆布と同じ藻の仲間で、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいる。

 すでにお菓子の「ユーグレナ・クッキー」や「ユーグレナヨーグルト」など食品分野から、サプリメントや化粧品まで次々と商品化。バイオ燃料として利用する実験も進んでおり、昨年12月にはついに東証1部上場企業となった。

 安倍晋三総理大臣から表彰状を受け取ると、「将来は政府専用機をミドリムシで飛ばしたい」(出雲社長)と会場を笑わせた。