シーン2
効果的にほめることができない
ほめることは大事です。ヤマダさんもそう思うのですが、どうほめていいのか自信がありません。部下のやる気を引き出すような評価の仕方をしようとは考えています。効果的にほめるのは、どのようにすればいいのでしょうか。
ベストプラクティス2
「何が良かったのか」「どこが伸びたのか」を具体的にほめ、本人に正しく認識させる
部下を成長させるためには、「ほめる」という「ポジティブ・フィードバック」が必要であることを理解します。
若手社員はほめられることで成長を実感し、自分の仕事に自信を持てるようになり、ほめられた行為が自分の中に定着し、習慣化されるのです。
ほめるべき点は「仕事の結果(成果)」だけではありません。全体としての成果は出ておらずとも、ほめるべき点はあります。部下の行動をつぶさに観察し、ほめるべき点を積極的に見出し、それを本人の成長に結び付けるのがOJT指導者の役割です。
例えば、次のような観点があります。
• 部分的な成果をほめる
• プロセスの中で良かった部分をほめる
• 以前からの進歩が認められる部分をほめる(特に、以前に叱った点の進歩はすかさずほめる)
• 成果は出ずとも、本人の努力が認められる部分をほめる
• 成果は出ずとも、教えた通りに行動したならば、その努力をほめる
抽象的にほめるよりも、具体的にほめた方が若手は学びを得やすくなります。成果や成果を生み出すプロセス、能力向上を「~を達成した」「~できた」「~の点が良かった」「~したことに感心した」「以前より~のスキルが向上した」のように、具体的な事実を提示してほめることが望まれます。
例えば次のようなことです。
△ 「さっきの接客良かったよ」
○ 「さっきの接客、商品説明が的確で良かったよ」
△ 「うまく商談をまとめた。成長したと思うよ」
○ 「うまく商談をまとめた。前回と比べて提案方法と粘り強い交渉力が格段に成長したと思うよ」