
旺盛なオフィスや高級マンション需要の高止まりで、財閥系デベロッパー3社の2025年3月期の売上高や純利益は過去最高を更新した。好業績を背景に、各社の給与や役員報酬はどのぐらい伸びているのか。特集『25年 給料ランキング』の本稿では、24年度の従業員の平均年間給与と役員報酬を明らかにし、3社の待遇序列を解明する。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)
三井不動産の平均年収は1756万円
業績面だけでなく待遇面でも“勝ち組”
従業員の平均年間給与は1756万円――。三井不動産は6月25日に開示した有価証券報告書で、従業員1928人の平均年間給与の額を明らかにした。
平均年齢は42.4歳で、50代の管理職となれば大台の2000万円を超える社員も多く在籍しているとみられる。まさに“勝ち組”だ。
大手デベロッパーは旺盛なオフィス需要や高級マンションの堅調な販売に支えられ、業績は好調を維持している。財閥系では、三菱地所と住友不動産が熾烈な業界2位争いを繰り広げる一方、三井不動産は2025年3月期の純利益が前年同期比10.8%増の2487億円となるなど絶対王者として君臨し続けている。
25年3月期の三菱地所の純利益は同12.4%増の1893億円、住友不動産は同8.2%増の1916億円と2社共に過去最高を更新したが、三井不動産が2社に純利益ベースで500億円以上の差をつけていることを踏まえると、1756万円という給与は納得の数字ともいえる。(詳細は『【財閥系デベロッパー3社対決】住友不動産が三菱地所を抑えて業界2位堅持も…好業績の原動力を脅かす「黒船」の正体とは?』を参照)
では、3社の従業員と役員の待遇はどれくらいの格差が存在するのか。ダイヤモンド編集部は有価証券報告書を基に、3社の過去5年の平均年間給与の推移をまとめた。データからは、三井不動産の待遇面での絶対王者ぶりが浮かび上がる。また、「1億円超え」の役員報酬を受け取る、3社の15人の役員の顔触れと金額も明らかにする。