教育・受験 最前線#7Photo:PIXTA

東京女子医科大学と聖マリアンナ医科大学は、企業で言う経常利益に相当する「経常収支差額」が3年連続赤字になった。医学部がある大学を運営する私立26学校法人の最新決算は「増収赤字」「増収減益」だらけだ。連載『教育・受験 最前線』では、26学校法人の最新決算を分析し、「稼ぐ力」ワーストランキングも作成。定員は埋まっても、経営は厳しくなる構造に迫った。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

東京女子医「再建」の道険し
聖マリアンナは病院閉鎖

 東京女子医科大学と聖マリアンナ医科大学が、ついに3年連続赤字になった。学校を運営する学校法人の2024年度決算が公表され、どちらも企業で言う経常利益に相当する「経常収支差額」(経常収入-経常支出)がマイナスになったのだ。

 東京女子医科大学は施設建設を巡る背任事件で元理事長らが起訴されて補助金がもらえなくなったり、再建はいばらの道だ。聖マリアンナ医科大学は累積赤字が増え続ける東横病院を24年3月、ついに閉院した。

 医学部は受験人気が高く、少子化が加速する学校淘汰時代に入っても入学者は集まっている。しかし、医学部がある私立31学校法人をみると、最新決算が公表された26学校法人のうち13学校法人が赤字になった。黒字の学校法人も減益になったところが多い。

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