日韓4社は最先端のスマホに搭載するためのディスプレイを作る技術は磨き続けているが、メーカーごとに明確な差が出ているのが、競争力の源泉となる開発リソースや設備に対する投資力だ。

 韓国のサムスンディスプレイとLGディスプレイが年間4000億円以上の大型投資を続けているのに対し、シャープは長引く資金繰りの悪化から10分の1以下まで投資額が激減。国内2社を合計しても2000億円に満たない。

 スマホ向けの中小型液晶パネルは、かつて日本勢が大敗を喫したテレビ向けの大型液晶パネルに比べて、作るのが難しく技術的な参入障壁が高い。日本勢はそうした製品の特性に守られてきたが、本質的には設備産業である以上、将来は投資競争と市場シェアの大きさで決着がつくことは明白だ。

 さらに“台風の目”となりそうなのが、サムスンが新たに量産工場を立ち上げた有機ELディスプレイだ。自社製スマホ「ギャラクシー」に搭載していた虎の子のデバイスを、日本勢が頼みの綱にしている中国メーカーに向けて猛烈な販売攻勢を掛けている。

 こうした規模の勝負に対し、規模と体力に劣る日本メーカー2社を統合するようなことがあれば、それは半導体産業で過去に繰り返し行われてきた“延命作業”に終始する可能性が高い。

 さらに、今後を読み解く上で欠かせないのが中国勢の動向だ。技術的な未熟さなど課題はあるものの、中国全土で建設が予定されている新工場群が技術的ハードルを越えれば、一大勢力になる可能性もある。

「日本勢は、この中国勢といかにアライアンスを組むのかも考えるべき」(中根氏)

 日の丸メーカー2社が“共食い”をしているとの指摘が当てはまるのは、あくまで競争のほんの一部分にすぎず、それは小さなコップの中の論議にすぎない。